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競売回避は可能?通知後でも間に合う対策について解説!

住宅ローンの滞納が長期化すると、自宅に「競売開始決定通知」という書類が送られてきます。

この書類を見ると、「ついに自宅を競売にかけられるのでは…」と考える方も少なくありません。

しかし通知が届いたからといって、すぐに競売が始まり自宅を失うわけではありません。

競売は売却に至るまで少なくとも半年ほどかかり、この「競売開始決定通知」が届くのは手続きが始まる初期段階にあたります。

この記事でわかること

売却までの時間は限られていますが、状況や滞納次第では競売の回避が可能です。

この記事では、競売開始決定通知が届いてから売却に至るまでの流れや、競売を回避する具体的な対策について解説します。

加えて、競売を回避しながら今の自宅に住み続ける方法についても分かりやすくお伝えします。

住宅ローンの滞納や競売開始決定通知が届いたことでお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

競売開始決定通知が届いても回避は可能

住宅ローンを滞納し続けると、やがて「競売開始決定通知」という書類が届きます。

この書類には競売が本格的に始まったことが記載されており、その内容を見て不安を感じる方も少なくありません。

しかしこの通知が届いた時点で、すぐに持ち家を手放さなければならないわけではありません。

ここでは、競売開始決定通知が届いた後でも回避できる理由や条件、そして取り下げが可能な期限について解説します。

競売はすぐに実行されるわけではない

競売開始決定通知が届いたからといって、すぐに持ち家を失うわけではありません。

なぜなら、競売は物件調査や入札準備などといった複数の工程を踏んで手続きが進められるためです。

そのため、競売開始決定通知から売却に至るまでおおむね半年〜8か月程度かかります。

つまり、通知が届いた時点は「競売手続きの開始段階」であるため、早めの対応で競売を回避できる余地はまだ残されているのです。

競売を取り下げられる条件

競売を回避するには、申立人である債権者に手続きを取り下げてもらう必要があります。

制度上、競売を取り下げられるのは、申し立てた債権者のみだからです。

  • 債権者:お金を貸している側(この場合、銀行や信用金庫などの金融機関)
  • 債務者:お金を借りている側

そもそも競売は、債務者から住宅ローンを回収する目的で行われます。

言い換えれば、債権者にとって残りの債務を回収できる見込みがあれば、競売を続ける必要がありません。

債権者を説得する際は、具体的な返済額の見通しを提示することが不可欠です。

取り下げ期限は開札日前日まで

競売の取り下げは、開札日の前日までに行う必要があります。

開札日とは、入札価格が記載された書類を開いて、落札者を決める(結果発表)日のことです。

競売取り下げ期限の注意点

競売の取り下げは、制度上開札日の前日までとなっています。

この期限までに債権者が取り下げの申請を行えば、競売手続きを中止できます。

ただし、実務上は必要書類の準備など、予想以上に時間がかかるため前日では間に合わないケースも少なくありません。

そのため現場では「開札日の2日前」を一つの目安として手続きを進めることが望ましいです。

この開札日以降は、原則として競売の取りやめはできません。

そのため、競売を止めたい場合は限られた時間内に対策を取る必要があるため、早めの行動が重要になります。

競売開始から売却までの流れ

競売開始手続きが始まってから売却までの期間は、だいたい半年から9か月です。

競売は裁判所を通じて進められる法的手続きであり、売却に至るまで複数の工程が設けられています。

この限られた時間内にどういった対策を講じられるかを確認するため、自分が今どの段階にいるのかを確認しておきましょう。

ここでは、競売開始決定通知が届いてから売却に至るまでの流れについて解説します。

競売開始決定通知~現況調査

住宅ローン滞納を放置し、3~6か月経過すると、保証会社が債務者に代わって残りのローンをすべて肩代わりします。

この手続きは「代位弁済」と呼ばれ、住宅ローン契約時に付帯している保証制度に基づいて実行されます。

代位弁済後の債権者はどうなる?

ここで注意したいのが、保証会社は残りの住宅ローンを支払いますが、債務者の返済義務がなくなるわけではないという点です。

保証会社は、あくまでも債務者が支払えない住宅ローンを立て替えているだけで、債務がなくなるわけではありません。

そのため、代位弁済後は金融機関に代わり、保証会社が債務者へ残債の返済を請求する立場になります。

つまり、債権者が金融機関から保証会社へ移るだけで、債務者の返済義務そのものが免除されるわけではないのです。

この代位弁済から2〜3か月後、裁判所から「競売開始決定通知」が送られてきます。

この通知は、競売手続きが本格的に始まることを知らせる重要な書類です。

競売開始決定通知が届いてから数週間~1か月後、裁判所の執行官が自宅を訪れ現況調査を行います。

現況調査とは?

現況調査とは、売却基準価格を決めるため不動産の状態や価値を下見・査定することです。

この調査は裁判所主導で行われるため、所有者の同意なく執行されます。

現況調査では、主に次のような調査を行います。

  • 外壁や基礎など建物全体の状態
  • 室内の状態
  • 建物周辺(一戸建ての場合は建物に面している道も調査する)
  • 居住者・関係者への聞き取り

現況調査当日は、裁判所の執行官に加えて不動産鑑定士が同行し、評価額の算定に必要な調査を行います。

調査の日程については、事前に裁判所から詳細が記載された通知が送られてくるため、突然執行官が訪れることはありません。

もし記載された日時が都合が悪い場合、早めに裁判所へ連絡し日程の調整を行うようにしてください。

またこの調査は法の下で行われるため、当日債務者が留守の場合であっても執行官は開錠して執行します。

売却基準価格の決定~入札

現況調査の結果に基づき、売却基準価格が決定します。

その後、裁判所から入札期間・開札日や売却基準価格が記載された、競売の期間入札通知という書類が届きます。

ここで注意したいのが、期間入札通知に記載されている開札日の前日までに競売の取り下げを行う必要がある点です。

この期限を過ぎると、そのまま売却手続きが進行してしまうため注意が必要です。

期間入札とは?

期間入札とは、裁判所が定めた期間内に購入希望者が希望価格を記載した書類を提出する入札方式です。

不動産競売は、その場で手を挙げて競り合うオークションとは異なり、一定の入札期間を設けるのが一般的です。

入札期間は1週間程度で、購入希望者(直接の利害関係者を除く)がその期間内に1度だけ入札する仕組みとなっています。

期間入札通知が届いてから1週間~1か月程度で、裁判所は競売物件情報を公示し、購入希望者の募集を開始します。

購入希望者の募集方法は、裁判所が運営するBIT(不動産競売物件情報サイト)に物件情報を公開するのが一般的です。

この物件情報はインターネット上で誰でも閲覧できるため、知人などに事情が知られる可能性が高まります。

落札~退去 

入札期間中に最も高い金額で入札した人が落札者となり、裁判所から売却許可が下ります。

買受人が代金を支払うと、物件の所有権が移転します。

所有権移転後、そのまま住み続けていると強制執行による立ち退きが命じられるため、早めに退去しなければなりません。

競売を回避する3つの対策

競売開始決定通知が届いても、対応次第で取り下げられる可能性が残されています。

では、実際にどのような方法で競売を回避できるのでしょうか。

ここでは、競売を回避するための対策について解説します。

残りの住宅ローンを一括で払う

競売回避の一つの方法は、残りの住宅ローンの一括返済です。

債権者は、住宅ローンの返済が困難になったときのことを考え、残債を回収する目的で不動産に抵当権を設定します。

抵当権とは?

抵当権とは、万が一返済が困難になった場合に、金融機関が物件を競売にかけて売却し、債務を回収できる権利のことです。

原則として、住宅ローンでは契約時に購入した物件が担保として設定されます。

そのため、返済が滞った場合、金融機関は裁判所へ競売の申し立てを行い、残債の回収を図ります。

一括返済すれば抵当権は抹消されるため、競売を回避できます。

ただし一括で支払えるのなら、そもそも住宅ローンの滞納が発生しないため、この方法は現実的ではないでしょう。

ただし例外として、親族からの資金援助により、一括返済が可能となるケースもあります。

例えば、親や兄弟などから一時的な資金援助を受けることで、競売を回避できる可能性があります。

ただし、贈与税や返済トラブルのリスクもあるため、支援を受ける際は事前に取り決めを行っておくことが重要です。

任意売却

開札日の前日までに、任意売却という方法で持ち家を売却できれば、競売を回避できます。

任意売却とは、抵当権のかかった不動産を金融機関の承諾を得て売却する手続きです。

任意売却は、通常売却と同じように手続きが進められるため、周囲に事情を知られずにすみます。

また、市場価格に近い金額で売却できるため、競売よりも高く売れます。

個人再生の(住宅資金特別条項)住宅ローン特則を活用

個人再生の住宅ローン特則を利用すれば、自宅を残したまま競売を回避できます。

個人再生とは、債務整理の1つで裁判所を介して債務を大幅に減額し、3〜5年かけて返済していく手続きです。

この制度は、住宅ローン以外の債務がある方のみに有効です。

そのため、住宅ローンのみの借入では個人再生は利用できないので注意して下さい。

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは?

住宅資金特別条項とは個人再生に付帯している特則で、住宅ローンを減額せずに支払い続ける代わりに、持ち家を競売から守れる制度です。

通称、住宅ローン特則と呼ばれます。

通常債務整理を行えば、自宅も清算対象となるため処分されるのが一般的です。

しかし住宅ローン特則を活用すれば、住宅ローンの支払いは免除されませんが、その代わり自宅を手放さなくてすみます。

ただし、住宅ローン特則を利用する際は、以下の点に注意してください。

  • 保証会社が住宅ローンを肩代わり(代位弁済)してから、6か月以内に個人再生を申し立てる
  • 住宅ローン以外の債務を担保していないこと
  • 個人再生の申立人が所有し、居住している建物であること
  • 固定資産税などの税金の滞納により、自宅を差し押さえられていないこと

こうした条件を満たしていれば、住宅ローン特則の利用が認められます。

競売を回避しつつ自宅に住み続ける方法

競売を回避できたとしても、できれば今の家に住み続けたいと考える方は少なくありません。

住み慣れた家には、生活基盤だけでなく家族との思い出が詰まっているため、簡単には手放したくないと感じるのは自然なことです。

状況によっては競売を回避しながら自宅に住み続けることが可能です。

ここでは、競売を回避しながら自宅に住み続ける代表的な方法について解説します。

個人再生+住宅ローン特則を活用する

自宅を残したまま競売を回避する手段の一つは、個人再生の住宅ローン特則を活用する方法です。

住宅ローンの支払いはこれまで継続する必要がありますが、その代わり自宅を失わずにそのまま住み続けられます。

ただし、毎月の支払額によっては家計への負担が大きくなる可能性があるため、慎重な検討が必要です。

個人再生は住宅ローン特則を活用することで持ち家を残しながら、住宅ローン以外の債務を圧縮できる点がメリットです。

しかし個人再生を行った場合、住宅ローンに加え、減額された債務を返済計画に基づいて分割返済していく必要があります。

例えば、住宅ローン残高が2,000万円、消費者金融からの借入が500万円の場合を例に考えてみましょう。

  • 住宅ローン残高:2,000万円(月々10万円返済)
  • 消費者金融からの借入:500万円(月々15万円返済)

※消費者金融への返済額は、借入状況により変動します。

この場合、再生前の月々返済額は合計25万円(10万円+15万円)です。

しかし個人再生を行えば、消費者金融からの借金500万円は100万円(5分の1)程度まで圧縮されます。

再生後の月々返済額は次の通りです。

再生後の支払額(月々)
住宅ローン10万円
他の債務約2.8万円

このように、消費者金融への返済額は15万円から2.8万円ほどに減額されます。

ただし、圧縮された債務は原則として3年で返済する必要があります。

そのため、住宅ローンに加え月々13万円程度の返済を継続していかなければなりません。

経済状況によってはこの返済額が生活に大きな負担を与える可能性があるため、個人再生を検討する際は慎重な判断が不可欠です。

任意売却×親族間売買

自宅に住み続ける方法として、任意売却と親族間売買の両方を活用する手があります。

親族間売買とは、親族(親、子、おじ、おば、いとこなど)に不動産を売却することです。

親族間売買は、売主が買主である親族に家賃を支払って、そのまま自宅に住む形になります。

第三者へ売却する場合と比べて、退去時期や居住条件を柔軟に調整しやすいといったメリットがあります。

買主は親族ですが、あくまでも形式上は「売却」であるため、適正価格での取引が求められます。

また住宅ローンを組む際、贈与税や相続の問題も発生してくるため、審査のハードルが高い点には注意が必要です。

任意売却×リースバック

任意売却と併用できるもう一つの手段が、リースバックです。

リースバックとは、自宅を不動産会社や投資家などに売却し、賃貸契約を結んでそのまま住み続ける方法です。

家の所有権は移転しますが、これまで通り同じ家に住み続けられるメリットがあります。

ただし、リースバックを検討する際は次の点に注意が必要です。

  • リフォームが自由にできなくなる
  • 家賃が高くなる傾向がある
  • 売却価格が市場価格よりも安くなる可能性がある

このように、売却後は所有権が移転するため、リフォームや建て替えをする際は買主の承諾が必要になります。

また、市場価格よりも安くなったり家賃が高くなったりする可能性もあるので、検討の際はこうした点に注意してください。

任意売却が競売回避に最適な理由

任意売却 競売 回避

競売回避には、一括返済や個人再生といったいくつかの選択肢が存在します。

そのなかでも、最も生活再建につながりやすい方法は任意売却です。

一括返済は現実的には難しく、また個人再生は返済負担が残り、リースバックは家賃の負担が大きくなる可能性があるためです。

ここでは、競売回避の手段として任意売却が最適とされる理由について解説します。

市場価格に近い金額で売却できる

任意売却の大きなメリットは、市場価格に近い金額で売却できる点です。

競売の場合、売却価格が相場の5〜7割程度にしかならないため、その後の残債の支払いに大きな負担を与えます。

一方、任意売却は競売よりも高く売却できるため、その分を残債の支払いや生活費に充てることが可能です。

その結果、売却後の生活負担を大きく軽減できます。

周囲に事情を知られにくい

任意売却の手続きは、一般の不動産売却と同じ形式で進められるのが一般的です。

そのため、売却は不動産会社主導で行われるため、周囲に滞納などの事情が知られるリスクが低いのです。

一方競売では物件情報が、裁判所が運営するBIT(不動産競売物件情報サイト)に公開されます。

その結果、近隣住民や知人などに滞納状況などを知られる可能性があります。

退去時期や引越し準備の猶予がある

任意売却では買主との交渉により退去時期の調整が可能であり、引越し準備時間を確保できる場合があります。

また、債権者や買主との交渉次第で、引越し費用を負担してもらえるケースもあります。

ただし、これは制度上の義務ではなく、債権者や買主の善意によるものです。

一方、競売では退去期限も限定的で、生活再建の準備が整わないまま転居を余儀なくされるケースも少なくありません。

残債の返済交渉ができる

任意売却では残債の一括返済が難しい場合、金融機関との交渉次第で分割払いが認められるケースが一般的です。

交渉が成立すれば、無理のないペースでの返済が可能となり、生活再建を優先しながら返済を続けられます。

任意売却の注意点

任意売却は、競売を回避するうえで有効な手段ですが、いくつか注意すべき点があります。

制度の仕組みや利用条件を十分に理解しないまま進めてしまうと、想定外の負担やトラブルにつながる可能性もあります。

そのため、メリットだけでなく注意点も把握しておくことが重要です。

ここでは、任意売却を検討する際に知っておくべき主な注意点について解説します。

任意売却後も残りのローンを支払う必要がある

任意売却を行ったとしても、住宅ローンがすべてなくなるわけではありません。

売却代金でローンを完済できれば問題ありませんが、多くの場合は売却価格が残債を下回ります。

そのためローンが残った場合、引き続き返済を続けていかなければなりません。

ただし任意売却後の残債については、無理のない範囲で返済できるよう金融機関との交渉が可能です。

信用情報に影響が出る

任意売却は、住宅ローンの返済が困難になった結果として行われる手続きです。

そのため、信用情報機関へ事故情報として登録される可能性があります。

これは、いわゆる「ブラックリスト」に該当するものです。

売却期限がある

任意売却には期限があるため、いつでも自由に行えるわけではありません。

競売手続きが進行している場合、開札日の前日までに売却を成立しなければなりません。

売却活動ではさまざまなステップを踏む必要があり想定以上に時間がかかる可能性があるため、早めの行動が不可欠です。

そのため、任意売却を検討する際は、時間的猶予を把握しておくことが重要です。

連帯保証人へ請求が及ぶ可能性がある

任意売却を行う際は、連帯保証人の同意が必要です。

そのため、任意売却後の残債についても保証人に返済の義務を課せられます。

なぜなら、債務者本人が返済困難と判断された場合、金融機関は保証人に支払いを求める権利があるためです。

トラブルを避けるためにも、任意売却を進める際は事前に保証人へ状況説明を行っておくことが望ましいでしょう。

税金滞納による差し押さえがあると成立が難しくなる

任意売却を進めるうえで見落とされがちなのが、固定資産税などの税金滞納による不動産の差し押さえです。

住宅ローンを滞納している方には、固定資産税の支払いも滞っているケースが少なくありません。

こうした税金滞納により自宅が差し押さえられた状態では、不動産を自由に売却できません。

そのため、任意売却を進めるには差し押さえを解除する必要があります。

差し押さえを解除するには、滞納している税金を完済する必要があります。

しかし滞納が長期化している場合、返済額が大きくなっているため一括での支払いは非常に困難です。

そのため、任意売却の専門相談員の協力を経て、役所や債権者と交渉し差し押さえを解除してもらう必要があります。

ただし、任意売却が成功しても滞納分の税金は免除されるわけではなく、不足分は分納などで支払い続ける必要があります。

まとめ:競売回避を成功するには早めの行動が重要

競売開始決定通知が来ても、対応次第で競売を回避できる可能性は十分にあります。

しかし競売手続きには期限があり、時間が経つほど選択肢は限られてきます。

任意売却や個人再生など、状況に応じた回避方法を検討しつつ、早めの対策を取ることが重要です。

また、差し押さえや債務整理が絡む場合、専門的な知識やサポートが必要になるケースも少なくありません。

競売回避を現実的に進めるためにも、専門相談員や不動産会社へ早めに相談しましょう。

早期に最適な解決策が見つかれば、その後の生活再建もスムーズに進めやすくなります。



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